南無阿部陀仏・ぎっしり凝縮スペシャルコースインタビュー!!(3・完)

昨年1月1日に1st Digital EP『若者よ、耳を貸せ』をリリースしてから、同E.P.のリードナンバーである『若者よ、耳を貸せ』のMVのYouTube再生回数は100万回越え、TikTokの総再生400万回超えを記録するなど、コロナ禍の逆風の中で異例の躍進を続ける東京練馬発、18歳アロハ系ロックバンド「南無阿部陀仏」(なむあべだぶつ)。

昨年11月1日には、2枚のE.P.を含む4か月連続リリースを発表したところであるが(4か月連続リリースの詳細はこちらの記事を参照:https://speranza.news/2020/10/25/namuabedabutsu-9/)、speranza!では、早くもそんな彼らの歴史を紐解くべく、Wikipediaを凌駕する独占・超超ロングインタビューを実施する!

第3回となる今回のインタビューでは、南無阿部陀仏結成後、日々どのように活動しているのか、今後はどのような活動を行うのかについて聞いていく!
これまでの記事はこちら:
■第1回:https://speranza.news/2020/11/25/namuabedabutsu-interview/
■第2回:https://speranza.news/2020/12/06/namuabedabutsu-interview-2/

[南無阿部陀仏]
Vo/G.まえす 
Gt.そーや
Ba.阿部
Dr.アントニー大輝

[speranza!編集長]
篠原一生


篠原:それではこれからはバンドを組んでからのことを色々と聞いていきたいと思います。バンドをやっていると、曲のこととか、演奏のこととか、色々決めなきゃいけないことがあると思うけど、そのあたりはどんな感じ?

まえすぶっちゃけ、意見はめちゃくちゃぶつかりますね。例えば、演奏のことでも、ついこないだ、練習してて、他のメンバーがコーラスしなきゃいけないところでしなかったことがあって、自分が怒ってスラジオを出て行ったこととかあります。

阿部:自分も、演奏で気づいたことがあったらすぐに言いますね。「あ、そこ食わなくていい!いつもどおりやって!」とかすぐに言う気がします。

まえす:ギターのそーやとドラムの大輝で、言い合って、空気悪くなったりすることもありますね。言い方がきつくなって、お互い機嫌悪くなったりしたりとか。

アントニー大輝:あるね。。

そーや:高校1年生のときとかですけど、俺とまえすで大輝に対してめちゃくちゃ言って、あとちょっとで辞めちゃうんじゃないかっていうところまでいったこととかもありました。

まえす:演奏とかの、バンド内のプロデュース的なところでいうと、阿部は結構多い気がしますね。自分も、お客さんが求めている歌とかリズムはこれかな、とか考えるんで、ここはもっと早くとか、ここはもっときて欲しいとか、かなり言います。ただ、強く言っても、曲とか演奏とかを良くするためであって、他のメンバーを信頼しているので、大丈夫だろう、っていう気持ちはあります。

篠原なんか急にめちゃくちゃレベルの高い話になったね。ここにきてようやくいい話が出てきた気がする笑 高校生の軽音楽部とかでバンドをやっていると、どうしてもなあなあになっちゃって、演奏面でお互いに指摘したり、言い合ったりできなかったりすることが多くて、逆に強く言いすぎたりしてもうまくいかなかったりする中で、こういう関係ができているのは正直凄いと思う。このあたりが、高校生にしてあのクオリティを出せていた理由なのかな、とすごく腑に落ちました。

まえす:確かに、ここにきてようやくいい話が出ましたね笑 うちらは自分の意見もガンガン言うんですが、他のメンバーが違う、って言うのであればそこからまた話し合ったりっていうこともかなりやっていますね。あとは、意見は言っても人格までは否定しないとかっていうのも重要だと思います。

篠原:でも、これってほんとに凄いことだと思う。プロ意識があって、技術がある人が集まってくると、逆にお互いの意見をうまく聴けなかったりするし、バンドの中で曲を作ってたり、ボーカルだったりで絶対的に力を持っている人が一方的に他のメンバーに命令するような形でもうまくいかなかったりするし。たまに、バンドとしては凄く売れているのに、いきなりメンバーが脱退しちゃったりすることもあるけど、そういうのってこういう事情もあるからね。

まえす:俺らのいいところはメンバーみんなが対等っていうところかもしれないですね。あと、お互いがそれぞれの強みを分かっているので、意見を言うことを「否定」したりしないところですかね。

アントニー大輝:ドラムが変とかって言われても、それ自体に腹を立てたりはしないですね。

篠原:バンドって、何か演奏面について指摘されたときに、それぞれが根底には「ベースのこと分かってないだろ」とか「ギターのこと分かってないだろ」っていう気持ちがあって、それがうまく意見を聞けない原因だったりもするんだけどね。

阿部:確かにそういうのないですね。最初の方はそういうの言ってたことありますけど、今はそういうのないかもしれないです。

まえすそういうの、俺らはもう乗り越えちゃったのかもしれないですね笑

篠原:バンドとしてのレベル的な話をすると、ギターのレベルって凄く重要だと思うんですけど、そのあたりはどうですか? 何か考えていることはありますか。

そーや:多分、純粋に難しいフレーズが弾けるか、とか、そういうところでいえば自分はぶっちゃけうまくはないと思うんですよ。ただ、楽器の上手い下手の基準って、バンドに合っているかだと思っていて、難しいフレーズが弾けても、それがバンドに合っていなかったら上手いとはいえないと思うんですよ。自分たちのバンドは、言霊っていうか、言葉に想いを乗せて伝えるっていうことをやっているので、そこで僕がピロピロやってもそれは上手いとはいえないと思うんですよ。ボーカルの歌がどれだけお客さんに届くかが重要だと思っています。まえすを輝かせるために俺らがいるみたいな。

篠原ヤバい、プロみたいなこと言うね。。この歳のギターでこんなこと言う人まずいないよ。これはさすがだね。これはバンドやってる人10人に聞いたら絶対10人が同意してくれると思うんですけど、ギターって大体うるさいんですよ。で、普通はみんなそこを通って、変わっていくんですけど。

そーや:自分も最初はそういう時期もありましたけど、メンバーに「うるさい」とかも言われて、今はそういうのなくなりました笑

篠原:メンバーが思ったことを言い合える信頼関係ができている、ってある意味最強だよね。それぞれのメンバーがいいものを持ってても、それがうまく噛み合わなくて、失敗しているバンドとかって結構あるし。

まえす:その点では俺たちはいい関係性ですね。あと、今後は高校も卒業したんで、過去にメンバー間であった「金銭トラブル」とかの反省も踏まえて、そのあたりのルールもきちんと作っていこうかなと思っています。

篠原金銭トラブル?? そんなことここで話すのか笑 でも、バンドやるってなれば機材とかでお金結構かかるし、今後はライブやグッズで収益も出て、それをバンドのためにきちんと管理して使っていく必要も出てくるから、あんまりみんな表立っては言わないけど、すごく大事なことだよね。

まえす:そう思ってます、特にこれから南無阿部陀仏の活動はどんどん大きくなっていくので大事なことだと思ってます。せっかくの機会なんで、僕らで作ったルールを今回の記事に載せておいて下さい。そうすれば後で何かあっても、この記事が証拠になって、あのときこう約束しただろ、ってなるので笑

シンプルなルール。

篠原:次に、バンドでやっている音楽ジャンルについて聞いてみたいんだけど、今みたいなパンクロックをやることになったきっかけって何かあったりするの?

阿部:そこなんですけど、そもそもパンクを作っているっていう自覚が無かったんですよね。

まえす:そうなんですよ、そもそもジャンルにとらわれたくないっていうのがあったので、パンクをやっているっていうのは言われて初めて気づいた感じかもしれないです。

篠原:確かに、今の音楽シーンって、WANIMAとか、パンクバンドがいないわけじゃないんだけど、そこまで青春パンクが流行っているわけでもなくて、そんな中でこういう曲が出てきたこと自体、ちょっと不思議に思っていたんですよね。

まえす:多分、『若者よ、耳を貸せ』っていう曲で有名になって、それで青春パンクバンドっていうイメージになったと思うんですけど、この曲を作ったときって、ギターのそーやがコードを考えてきて、僕がメロディーをつけたんですが、そーや自身も、すぐに覚えてもらえて、誰でも簡単にコピーできる曲を作りたいっていうテイストでやってて、周りのメンバーもファンモンやGreeeeNとかの影響で回りくどい比喩とかがあまり好きじゃなかったんで、みんなが思っているけど言っていないことを歌う、凄くストレートな曲になったんだと思います。それが結果として青春パンクっぽい感じになったんじゃないかな、と。

篠原:この曲はいつ頃作ったの?

まえす:高2の夏休みですね、8月。

阿部:1日で1曲分のメロディー付けたんじゃなかったっけ?

まえす:そう。その月の31日にJYOJI-ROCK(https://www.jyoji-rock.com/)っていう大会の決勝があって、その前日にできた曲です。前日までメロディーも歌詞も無くて、ただコードだけあるっていう状態でした笑 コードをそーやが弾いて、大輝がそれにツービートで合わせて叩いているっていう中で自然と歌詞とメロディーがパンって出てきました。多分その時は先輩を応援するっていう気持ちが強かったんで、自然と頭の中で整理されて文章になったのかなと思います。

篠原:そもそもオリジナルの曲を作り始めたのっていつだったの?

まえす:高1の夏の終わり頃でしたね。9月くらい。

篠原:早いね笑 だってそもそもバンドをやり始めたのが高校生からで、5月にバンド組んで最初はワンオクのBeginningとかWANIMAのTRACEとかやってたんでしょ?

まえす:そうですね、6月に最初のライブやったくらいでしたので笑

篠原:どういうきっかけでオリジナル曲作ることになったの?

まえす:俺らがいつも練習しているリハーサルスタジオの当時の店長に言われたのがきっかけですね。マザーハウス練馬のモロさん、っていうんですけど、「お前らそろそろオリジナル曲作れよって言われて。」

篠原:どういうこと?笑

まえす:まず、その店長、超怖い人なんですよ笑 僕らも怖くて逆らえない状況だったんで、オリジナル曲作れ、って言われて「作ります!」って笑 そもそも、作る前に、バンドクリニックをしてもらったんですよ、そしたらコースを選べ、って言われて、スパルタコースとかやさしいコースとか。僕らもバンドとしてもっとうまくなりたいって思ってたからスパルタでお願いしますって言ったんですよね。そしたらそれが凄くて笑

アントニー大輝:まず、ドラムがビート叩けないと、「スティック貸せ!」って言われて、渡したらいきなり「なんでできねーんだよ!」って言って投げつけたんですよ笑

阿部:ベースは、俺が表でリズム取ってたら、「ベースは裏で取るんだよ!」ってやられて、「あっ、すいません!!」みたいな感じで教わりました笑

そーや:俺の場合は、モロさんが阿部のベースを借りて「それじゃあ進行決めるわ」って言って弾いてて、そしたらいきなり「そーや今これ見てたでしょ、これ弾いて」って言われて笑

篠原:楽器始めたばっかの子たちにそれはヤバいね笑 バンドクリニックってスタジオとかでよく見るけど、そんなことされると思わなかった笑

まえす:とにかくほんとにスパルタで、恐怖でした。

篠原:それじゃあ、オリジナル曲を作り始めたのも、そろそろ慣れてきたから、とか、コピーが飽きてきたから、とかじゃなくて恐怖で作り始めたんだね笑

まえす:確か、曲にメロディーをつけたときも、何かのライブのときにモロさんが見に来てて、そのときに大輝に「お前、メロディー付けろ、そこらへんの陰に隠れて取って来い」って言って、5分くらいで取ってきたんですよ。

アントニー大輝:もう思いつかん、って言って帰ってきたきがする笑

まえす:それがその後曲になったんですよ笑 今回出した音源とかには入ってないんですけど、2週間くらいで作って、高1のときはそれで乗り切りました。モロさんに会うたびに「最近どうなの?」とか言われて、「ちゃんとやってます!」って言ってました。

篠原:部活でバンドやっててオリジナル急かされるってマジヤバいね笑 でも、オリジナルをやろうっていう発想にならないと思うから、これは凄い貴重だと思う。

まえす:でも、めちゃくちゃいい人なんですよ、面倒見良くて。俺たちその人のおかげでオリジナル作れて、本当に恩師ですよ。その時にオリジナル作ってなかったら、ここまでやれていなかったと思います。当時、周りでもオリジナル作ってるバンドとかほとんど無かったんで。先輩とかもやってなかったですね。

アントニー大輝:高1のときに作った曲が、今回のE.P.にも入ってますね。

まえす:大輝がメロディーを付けた曲が最初のオリジナル曲で、その次に作った曲が『人々』っていう曲で、2nd EP『僕らは愛を知らない』に収録されています。

篠原:あ、それ俺が良いと思ったやつだ。

阿部:マジですか!?

篠原:実は今回のインタビューに先立って、2nd EP『僕らは愛を知らない』と3rd EP『俺達永遠』は事前に聴かせていただいていました。まだ、数回ずつしか聴いていませんが、その中でこれまでMVとしてアップされている曲も含めた上で特に僕が良いと思ったのが、2ndだと『人々』、3rdの中だと『光が見えるその先へ』ですね。これは、どの曲がプッシュされているか、とかは関係なく、純粋に僕が良いと思ったやつです。

一同:え~そうなんですね!

まえす:『光が見えるその先へ』も高1で作った曲なんですよ。

篠原:そうなんですね! でもやっぱり作曲ってこういうものなのかもしれませんね。音楽始めたばかりで作ったからどうってわけではなくて、こういう経験が浅いときに作った曲が僕みたいな何万曲と聴いているような人に刺さったりとかするんだな~って今まさに思いました。

阿部:すごい、こういうことあるんですね。。

まえす:『光が見えるその先へ』なんて、高1で作って、歌詞も曲も変わっていないですね。

篠原:オリジナルをやったときのお客さんの反応は?

そーや:ポカーンっていう感じでしたね、全然知らない曲なんで笑 ただ、周りはコピーばっかりやっている中で、自分たちはオリジナルだったので、ちょっと優越感みたいなものはありました。あと、オリジナルの場合は、間違えるとかっていうのがなくて、自分が正解なので、弾いてて楽しいっていうのはありますね。あと、オリジナルで頭を振るような曲があって、お客さんと一体になって頭振ってるときが楽しいですね。

篠原:南無阿部陀仏がオリジナル曲を作ることになった背景にはモロさんというキーパーソンがいらっしゃるということは良く分かりました笑 でもこういうスタジオとかライブハウスの店長みたいな人ってバンドやってる人にとっても大事ですよね。僕自身も、あるとき、地元のレンタルスタジオの店長と話してて、「自分がやっているのはサークルでのコピーバンドで、オリジナルもやってないんで遊びみたいなもんなんですけど」って言ったら、「そんなのは重要じゃない。音楽は続けるのが大事なんだ」ってサラッと言われて、それが未だに記憶に残っています。当時、大学を卒業したらもうバンドとかできないのかな、とか思ってたけど、働きながらとか、遊びでもバンドってやっていいんだ、音楽ってやっていいんだ、っていう自信がついた気がします。それが今のこのメディアにもつながっていたりします。

まえす:確かに、凄くいいこと大事なことを教えてもらっている気がします。オリジナルの件もそうですけど、それ以外にも「常に謙虚で、天狗になるな」って言われたり、「部活でやるとしてもバンドを舐めてはいけない、好きでやるんだから全力でやれ」とか、「自分のバンドを良いって言ってくれる人を大切にしろ」とか「(いい意味で)大人をうまく使え」とか。

篠原:すごいね、全部バンドをやっていく上で重要な観点だね。。

まえす:モロさん自身も、昔V系バンドをかなりガチでやっていて、一時期は収入もあるくらいだったらしいので、色々と自分の経験も踏まえて話してくれたんだと思います。モロさんに出会ってなかったら、大会とかでちょっといい成績取ったら調子に乗って、ダメになってたと思います笑 あとは軽音楽部の顧問の先生。いい意味でバケモンです、学校の先生なのに笑

アントニー大輝:荒木先生、っていうんですけど、高校生の軽音楽部界隈では凄く有名で、色々音楽業界の方の知り合いとかもいて、学校の先生なんですけど笑

まえす:荒木先生からも色々教わりました。ライブの度に言われて、怒られたりもしますけど、その人のおかげで頑張ろう、って思えるんですよね。今でも覚えているのは、オナニーするんじゃなくて、お客さんとセックスしろって言われたことですね。自分だけ気持ちよくなるなって笑

そーや:荒木先生のおかげで、他の軽音楽部に比べてだいぶ大きくなったと思います。ただ、自分は荒木先生とかなり言い合っていた気もします。メンバーの中で一番反発していたと思います。

篠原:そういう人に出会えたっていうのは凄く貴重だったね。俺は音楽で指導受けるとかっていう経験無かったから、ちょっとうらやましいかも。そういう方から色々なことを吸収できているっていうのも凄いね。

まえす:僕ら、いつもまだまだっていう気持ちがあって、周りの大人の意見を、ポジティブなものもネガティブなものも、割と全部受け止めているっていうのはあるかもしれないですね。

篠原:そうやって周りから言われたことをプラスにできているっていうところもいいね。言われたことだけしかできないっていうのもつまらないんで、言われたことを踏まえて、プラスの方向に向けていけるっていうのは強いと思う。

色々な方々の厳しい指導の結果、こんな顔に。。。

篠原:ちなみに、ライブに関しては、学校だけじゃなくて、外のライブハウスでもガンガンやっていたの? オリジナル曲もしっかり作ってたからだと思うけど。

阿部:そうですね。すごくよくしてくれるライブハウスもあって、たくさんライブの機会をいただきました。吉祥寺ROCK JOINT GBとか御茶ノ水の宮地楽器 Zippal Hallとか。

まえす:そこの本間さんっていう方によくしていただいて。あとは渋谷ミルキーウェイでも企画を何回もやらせていただいてます。

篠原:冷静に考えると、ライブ見にいったこともないのにこれだけライブハウスでライブやってるって凄いね。ライブ観に行くのよりも自分でやるのが先っていう笑

吉祥寺ROCK JOINT GBでのライブはこんな感じ

まえす:確かに笑

篠原:曲作りの割合はどんな感じなの?

まえす:僕が曲も詩も作ることが多いですけど、そーやとか阿部も作りますね。各楽器のフレーズは各自で作ります。全員で作るので、クレジットは南無阿部陀仏になっています。

篠原:曲作りを一人だけじゃなくて複数メンバーがやるバンドって個人的に好きなんですよね。全くテイストが違う曲が出てくるので、2倍楽しめるみたいな。例えば、僕の好きなバンドで藍坊主なんかはボーカルとベースがそれぞれ結構な割合で曲を作るんで、傾向が違ってて面白いんですよ。あとはL’Arc〜en 〜Cielなんかメンバー全員曲作りできるよね。

まえす:メンバーが作ってくれた曲でも全然歌いますね。

阿部:今回、1曲自分が歌っているのもあります。3rd EP『俺達永遠』の『さよならだけが人生だ[序章]』っていう曲です。

まえすちなみにあの曲は作詞も作曲も阿部清流になってるからね。

阿部えっ?南無阿部陀仏じゃないの?

まえす:だってあれば阿部が自分で作って自分で歌ってるだけだからね。俺たちアレンジも何もしてないし。

アントニー大輝俺たち演奏すらしてないし、あれは完全にあなたの曲ですよ笑

篠原さっき全員で作ってるんで、って言ったの、いきなり矛盾してるけど大丈夫かな笑

篠原:あとはもうちょっと作曲の話で、曲はどうやって作る?

まえす:自分の場合、メロディーと歌詞を同時に作るタイプですね。

篠原:同時!? それは結構珍しいね。

まえす:なので、メロディーはあるのに歌詞は思いつかないとか、歌詞はあるんだけどいいメロディーを思いつかないとか結構ありますね。曲だけあった、歌詞を付けて欲しい、とか、歌詞だけあって曲を付けて欲しい、とかっていうのは難しいかもしれないです。コードがあって、それにメロディーと歌詞を付けるとかであればできますね、高校の時はそうやって作ってました。さっき話に出た『光が見えるその先へ』とかはそれです。

篠原:コードを作ってもらって、メロディーと作詞を付けるパターンは、まさにメンバーでの合作だね。それが俺に刺さったと笑

そーや:自分の場合、コピーされるような曲を作りたいっていうのは常にありますね。みんなに弾いて欲しいなって。

篠原:コピーされる曲ってやっぱりいい曲だしね。ちなみに、曲を作ってて、影響を受けているアーティストとかは?

アントニー大輝:曲が何かのアーティストに寄ってる、っていうのを感じたことはないですね。強いて言えば、ライブでのパフォーマンスとか、勢いみたいなものはハルカミライとかSUPER BEAVERに影響受けているかもしれませんね。

まえす:自分としては寄せている感じはなくて、伝え方が似ているのかもしれないですね。

篠原:実は、僕が最初に南無阿部陀仏の曲を聴いて思ったのは、背後にアーティストが見えてこない、ってとこなんですよね。どういうことかというと、だいたい、どんな人も、最初にオリジナルを作るときって、好きなアーティストがいるので、そのアーティストに少し似た雰囲気の曲ができたりすることが多いんですよね。南無阿部陀仏の場合には、曲を聴いたときにパンクっていうのは分かった一方で、それが無かったんですが、さっきの話を聞いているとなぜそうなのかが分かった気がしますね。パンクを目指したわけじゃないっていう話と、ほぼ曲を知らない高1のときにいきなりモロさんに言われて曲を作り始めたっていうのと。

まえす:理由とか考えたこと無かったですけど、確かにそんな感じかもしれませんね。

篠原:今後、こういう曲作ってみたいとかはある?

阿部:バラードとかですかね。

まえす:自分はそのときそのときで歌いたい曲を歌うかもしれないですね。その時に出てきたものを曲にする感じなんで。でもバラードはちょっとやってみたいかもしれないです。

篠原:遊びでもいいから、色々やってみて欲しいっていうのはありますね。南無阿部がバラード歌ったらどうなる、とか、ゴリゴリのラップやったらどうなる、とかめちゃくちゃポップな歌を作ったらどうなるとか。

まえす:そういうの、色々やってみたいですね。

篠原:ライブの話に戻るけど、今回、高校生の時に出てた各種大会のときの話も聞かせて欲しいです。今までどんな大会に出てきて、それぞれの大会でのエピソードとかはありますか。

まえす:まず、大会に出ようってなったきっかけなんですけど、どうやったら色々な人に知ってもらえるかって考えたときに出てきたのが大会だったんですよね。顧問の荒木さんからも勧められて。最初は2017年のJYOJI-ROCKでした。

アントニー大輝:高校生限定の、UNDER16でした。

阿部:そこで優秀賞でした。でも自分達よりも上の最優秀賞っていうのがあったので、2番でした。その次に、2、3年生も出られる本戦、そこで勝つと決勝っていうシステムだったんですが、特別推薦で出た本戦で、レベルが違い過ぎて、ダメでした。技術だけじゃなくて全部だめでした。オリジナル曲もやったんですが、受け入れられていませんでした。その次が高1冬のJYOJI-ROCKでした。その時は最優秀賞を取って、本戦に上がって、決勝にも上がれました。

まえす:でも、決勝で何も賞は取れなかったです。

阿部:次のときは、高2の夏のJYOJI-ROCKは、音源審査から入って、本戦から出られて、決勝に出て優秀賞を取りました。その時にやったのが「若者よ、耳を貸せ」でした。でもその時は完成度が低かった気がします。

まえす:その時、それまでは南無阿部陀仏っていうバンド名だけだったんですけど、南無阿部陀仏と言えばこれだ、っていう1曲になった気がします。

篠原:代表曲みたいな感じだね。

まえす:その後、高3の春のJYOJI-ROCKに出て、「若者よ、耳を貸せ」をもう一度やって、3位になりました。

アントニー大輝:前よりクオリティが上がったからね。

まえす:そして、高3の夏、JYOJI-ROCKで優勝しました。やっとできたって感じで、それまでJYOJI-ROCKでは悔しい思いばっかりしていました。

篠原:俺は高校で軽音をやっていなかったからそのあたりの大会とかがあまり分かっていなかったんだけど、高校球児みたいなことやってるんだね。

阿部:JYOJI-ROCKは、さっき言った吉祥寺ROCK JOINT GBが主催しているんですよ。

まえす:東京、千葉、埼玉あたりのバンドが出る大会で、280組くらいが出るので、ここで1位になれたのは凄く嬉しかったですね。それ以外には高1の夏から出てたTokyo Music Riseがあって、Zippal Hallでやりました。

阿部:それは全然勝てなかったよね。高2の1回だけか。

まえす:Tokyo Music Riseでは、高2の夏まで全く勝てなくて、高2の冬で予選1位、決勝で2位でした。そのときは「若者よ、耳を貸せ」の方ではなくて「青春」をやったんですよ。そこでハーモニカを吹いたのがウケたのかもしれません笑 高3では予選で落とされました。なあなあでやってしまっていたので、ちょっと天狗になってしまっていたのかもしれません。この他には、連盟っていう公式の大会があるんですけど、そっちでは音源でもライブでも負けました。

阿部:ね、そっちでは勝てなかった。でもなぜかゲストで呼ばれたことがあったんですよね。勝ったことなかったんですが笑

篠原:ある大会では優勝して、他の大会では全然勝てないみたいなことがあるもんなんですね。他にはどうだろう、未確認ロックフェスとか、ティーンズロックとか。

阿部:これは高3の夏で、大会とかではない野外のイベントみたいな感じですね。そこで応募したら通ったんですよね。中野フレッシュロックフェスティバルが1回目で、そこが2回目の野外でしたね。

まえす:ひたちなかでやったTEENS ROCK IN HITACHINAKAは音源審査が通って、最終的に審査員特別賞とオーディエンス賞をもらいました。本当は1位、2位ならロッキンに出られるはずだったんです。

篠原:そのときロッキンに出られたバンドは覚えてる?

まえす:悔しかったんで、あんまり言いたくないんですけど、「Owl」「屋台利用券X」っていうバンドでしたね。これは悔しかったです。このとき絶対実力でロッキン出てやるって思いました。

篠原:コンテストで勝つだけが全てじゃないけど、こういう人から見られて、評価されてっていう経験が、かなり実力につながっているっていう側面はあるんだよね。今日、話を聞くまでは、南無阿部陀仏は色々なコンテストでいい成績を取って、のぼってきたのかなって思ってたんだけど。

まえす負けている経験の方が多いですね。でもそれが次にもっと良くなろうっている原動力になっていた気がします。この時は本当にライブが全てっていう感じで、1年中色々なライブに出て、全てをライブに費やしていたので、今こういう状況でライブが無いのが、ちょっと変な感じなんですよね。

阿部:2週間に1回はやってたよね。

篠原:この中で一番記憶に残っているのは?

まえす:メンバーみんなにとって最後でもあったんで、ひたちなかのTeens Rockですね。ロッキンに出たかったんで。

篠原:悔しかった記憶が一番に来るんだね。その後にJYOJI-ROCKで優勝っていう流れなのか。

まえす:そうですね、順番的にはそれが最後のライブだったので、悔しさをばねに、優勝できたのかもしれません。

そーや:自分は、高1のときに練馬文化センターでやったTokyo Music Riseに出たときのギターソロが本番で飛んじゃって、ステージ上でメンバーに謝ったときですね。嬉しい記憶とかももちろんあるんですけど。

まえす:やっぱそういう悔しかった想い出って忘れちゃいけないと思うんですよね。

野外ライブ!

篠原:タイの話が出てきたときはどう思った?

まえす正直、「タイ!?」って思いました。ただ、この顔を見ていただければ分かると思うんですが、正直自信はあります。タイ人に似てると思いませんか? タイ語も頑張って覚えようと思います。

阿部:そーやが、今、タイ語専攻ですね。

篠原:確かに、まえす君の顔ならいけそう笑 海外関係はちょっとコロナで止まっちゃっているけど、凄い楽しみだね。

篠原:最後は今後の活動について。まず、コロナにはどう勝てばいいですか?

阿部:あえてコロナに勝つ必要はないとおもってます。コロナに寄り添って生きていければいいのではないでしょうか。

篠原:新しいな笑 withコロナみたいな感じか。5年後10年後の目標は?

まえす:フェスに出ているのは当然として、アリーナツアーとかホールツアーは当然やっていたいですね。明確な目標は持ちたいです。まだまだ満足はしていないです。ライブについては、上を目指しつつ、きちんと実力と人気をつけて大きいところでやりたいですね。

アントニー大輝武道館は3年後で。

そーや:日本を代表するバンド、南無阿部陀仏とか。

まえす:それは行き過ぎだな笑 でも、小さいところで満足しちゃだめで、大きい目標は大事ですね。

篠原:最後まで謙虚で、上を目指している感出てるね笑 でもこないだ、aikoのライブに行く機会があってびっくりしたのが、未だにライブ後に「どの曲が良かったですか?」みたいなアンケートを配ってたりするんですよね。インディーズバンドが良くやるような。さいたまスーパーアリ―ナであれ配ってるの想像できますか? あのレベルになってもお客さんの希望をしっかり聞こうっていうのがやっぱり違うな、と思いましたね。

まえすこれからも天狗にならず、荒木先生やモロさんの顔を思い出してやりたいです。あとは、大きいところに行ってもバカなことやりたいですね。今も阿部トークとかやっているんですけど、武道館とか行ってもそういうの続けたいです、aikoさんを見習って笑

阿部武道館で阿部トークやんの笑

篠原:ライブは音楽だけじゃないって最近本当に思うので、色々楽しみにしています!


HP・SNS情報


[南無阿部陀仏]公式HP
https://namuabe0401.wixsite.com/namuabe

[南無阿部陀仏]公式Twitterアカウント
@namuabe_Boys

[南無阿部陀仏]公式Instagramアカウント
namuabe_boys

[南無阿部陀仏]公式Facebookページ
https://www.facebook.com/profile.php?id=100028088960826

[南無阿部陀仏]公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCQofdThcsbPGHvcKrtXIPkg

[南無阿部陀仏]Eggsアーティストページ
https://eggs.mu/artist/namuabe_Boys_3

[南無阿部陀仏]Official TikTok
■JAPAN
https://vt.tiktok.com/FDMMK3/
■Thailand
https://vt.tiktok.com/AfjKdc/

[南無阿部陀仏]メンバーSNSアカウント
Vo/G.まえす 
Twitter:@maesu04041
Instagram:maesu_namuabe_41

Gt.そーや
Twitter:@huskystar1021
Instagram:huskystar1021

Ba.阿部
Twitter:@Abass_0109
Instagram:abass.0109

Dr.アントニー大輝
Twitter:@dai_i_i_i_1356
Instagram:dai_i_i_i_1356

リリース情報詳細


[リリース情報]
2020年11月1日(日)Digital 2nd EP『僕らは愛を知らない』 
収録曲
1.愛を知らない僕らへ
2.人々
3.ONE LIFE
4.precious
5.信じた足跡

2020年12月1日(火)Digital 3rd EP『俺達永遠』   
収録曲
1.アドベンチャークルージングパーティー
2.愛別離苦
3.光が見えるその先へ
4.烏兎匆匆
5.ロマンチックな恋がしてぇ
6.さよならだけが人生だ[序章]

1月1日(金)Digital 1st Single『卒業の日』

2月1日(月)Digital 2nd Single『5時のチャイム』


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