踊るスリッパ・2月24日に3rd album『ファーストクラッシュ』をリリース!!

リリース情報
東京都内を中心に活動するメランコリックポップバンド「踊るスリッパ」が、2月24日、3rd album『ファーストクラッシュ』(5曲入り)をリリースしました。収録曲「ロマンス」「ギターケースで眠りたい」2曲のMVもYouTubeにて公開されている。同アルバムは、Apple Music、Spotify等の各種サブスクリプションにおいて配信が開始されている(配信サービスは下記リンクを参照)。
https://linkco.re/HYPE1YuC
踊るスリッパ「スパークリング」
踊るスリッパ『ファーストクラッシュ』インタビュー
インタビュアー: 皆さん、こんにちは!本日はニューアルバム『ファーストクラッシュ』 について、色々とお話を伺いたいと思います。まずは、アルバムタイトルに込められた意味からお聞かせいただけますでしょうか?

まる: 冬にリリースすることが先に決まっていたので、今まで表現してこなかった踊るスリッパの大人な一面を出したいと思っていました。タイトルはかおりが決めました。
かおり: 初恋という意味ですが、『ファーストラブ』ではなく『ファーストクラッシュ』。恋は何度目の恋だって初恋の気持ちで挑むもの。良い事ばかりじゃないけど、それでも強く生きていくかわいい女の子たちが主人公のアルバムになっています。
インタビュアー: なるほど、ありがとうございます。それでは、メンバーの皆さんそれぞ れの役割についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
ジェーン: 自分はギターを担当していて、他にはデザイン関連の作業をやっています。 あとは、ムードメーカーという自覚はありますね。
かおり: そうだね、いつも場を明るくしてくれるよね。
りょう: 僕はベースと、サウンドエンジニアリング全般を担当しました。あとは、曲全般のコードアレンジにも力を入れました。僕は今作から参加したバンドの二代目ベーシストということになるので、この場を借りてご挨拶させてもらいます。
まる: まだ加入したばかりだけど、欠かせないメンバーだね。
かおり: 私の役割はボーカルと作詞、それと曲のイメージや世界観づくりです。
まる: ドラムと、みんなを取りまとめながらプロジェクトを推進しています。
インタビュアー: 皆さん、それぞれの役割分担があるんですね。今回のアルバム制作では、以前の作品と比べて変化した点はありますか?特に新しく加入されたりょうさんの影響が大きいのでしょうか?
かおり: りょう君が入ってくれたのは大きいよね。今までにない曲の雰囲気があるし、アレンジがかっこよくなったと思う。
ジェーン: 車で例えるなら、軽トラに乗っていたのがダンプカーになったような感じかな。
エンジンのグレードが上がった、みたいな。できることが増えたよね。
インタビュアー: 具体的に、制作過程で変わったことはありますか?
まる: 今までは、僕が「こんなのどう?」ってアイデアを出して、かおりがそれに乗っか って、まとまったものをジェーンに投げてコードアレンジを見直してもらったりして形を作ることが多かったんです。でも今回はみんなでアイデアを出し合ったし、 レコーディングも踊るスリッパの中で完結している。
りょう: スピード感は本当に速かったですよね。
まる: うん、候補曲は他にもあったけど、その中からアルバムコンセプトにあった曲をちゃんと選んで、一気に作りこんでいったね。
インタビュアー: アルバム収録曲について、いくつか個別にお伺いします。まず1曲目の「楚楚」はりょうさんが作曲されましたが、どのように制作されたのでしょうか?
りょう: 最初は、定番のコード進行(Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm)を使って短いデモを作ったところから始まりました。踊るスリッパの中ではこういう進行の曲があまりなかったので、逆に新鮮に響くかなと思って、あえて外しにいくつもりで試験的にやってみました。それともう一つ裏コンセプトがあって、BメロのアレンジではEDM的なリズムの刻み方とか、いわゆるビルドアップというキメのフレーズを盛り込んでいます。
ジェーン: ああ、あれね。K-POPとかでよく使うやつだと思ってた。
りょう: 実はああいうの、個人的にはあまり好きじゃないんです。バンド演奏主体のロックにああいうフレーズを盛り込むのは今では一般的だけど、自分には馴染みがなくて。 でも、苦手なものもちゃんと取り入れていこうという気持ちで曲にしてみたら、結果的には良かったなと。自分の中で、ちょっと壁を払拭できたよい機会だったかなと思っています。
まる: 面白いね。
りょう: 歌のメロディラインも、ボカロっぽさを狙ってみたんですけど、それも別に好き というわけではなくて(笑)。バンドの作風のバリエーションと、自分の作曲・アレンジスキルの幅を広げるためにはよかったかなと思っています。 これに加えて、自分の好きなマスロックっぽいリズムとかも使っているので、苦手なものと好きなものがごちゃまぜになっている感じですね。
インタビュアー: かおりさんは、「楚楚」の歌詞はどのようなイメージで書かれたのですか?
かおり: 最初にこの曲を聴いた時に、すごく綺麗な世界だと思ったんです。寂しい海辺の夜にバイクが走っていて、そのバイクが流れ星みたいに見えて、すごく悲しかったり綺麗だったりする、みたいなイメージが湧いてきました。歌詞の登場人物について、たとえば駆け落ちみたいに、周囲から見るとあまり良くないように見えるかもしれないけど、本人たちの内面にはすごく綺麗な世界が広がっている、みたいな。そういうイメージで歌詞を考えました。また制作当時、ヒップホップをよく聴いていたので、歌詞の中で韻を踏んだりしてリズムをすごく意識して書きました。
インタビュアー: 歌詞とメロディがうまくハマったんですね。
かおり: はい。普段こういうメロディはあまりないので、歌詞が気持ちよくハマるのがす ごく楽しかったです。あと、綺麗な言葉がすごく似合う曲だと思いました。
インタビュアー: ライブで演奏するのは難しそうですね?
まる: ドラムが結構大事な曲だからね。リズムとボーカルが揃わないとね。 まだライブでできるかどうかは分かりません(笑)。

インタビュアー: 続く「スパークリング」について、こちらは皆さんのセッションから生まれた曲だそうですね。
まる: そうそう、セッションテイクの中から「これちょっといいかも」っていうのを再構築してできたのが「スパークリング」。可愛くてキャッチーでポップな、女の子の曲っていうイメージで作ったんだ。イントロに出てくるリフフレーズとか、ギターソロとか、ギターのアレンジが先行して出てきた曲だったんだよね。 そこにメロディを乗せていった。 みんなのアイデアを盛り込んでもらったことで、よりカラフルな曲になったと思います。
りょう: 元の案だと、イントロはギターでサビの歌メロを弾くところから始まっていたのですが、僕はボーカルから入ることにこだわって提案しました。リスナーにすぐスキップされたくないので…。結果的に、メロディがより印象的になって良かったと思います。
かおり: 歌詞は、ポップで可愛い曲調とは裏腹に、女の子のちょっと生々しくてリアルな、 ハッピーなだけじゃない瞬間を切り取った歌なんです。これからも幸せになれそうだけど、今は一旦ちょっと扉を閉めている、みたいな、力強く生きている女の子にも苦しい瞬間があるというのを描きたかったんです。
まる: りょう君が提案してくれたCメロの転調がすごく合っていて、夜中にぼーっとしているような雰囲気を出したかったから、あそこの展開は本当に良かった。ちょっとシティポップみたいな雰囲気も出たよね。
インタビュアー: 続いての「BIANCA」は、ジェーンさんが中心となって作られた曲だそうですね。
かおり: はい。私はこの曲のギターリフがとにかく好きで!今までの踊るスリッパにはなかった、ちょっと重くてドスが効いたような曲です。ポップで軽快な曲とはまた違った、こういう曲があっても良いなと思っていたから、ジェーンのあのリフは本当に良かった!
まる: 最初は僕が、いわゆる「丸サ進行」で簡単なオケを打ち込んでいました。かおりに聴かせたら歌のイメージがどんどん出てきたから、これは形にしたいなと思ってジェーンに渡したんだ。
ジェーン: イメージを共有してもらってから自分の解釈でリフを作ってみて、結果的にロック色の強いパンチのあるものになったんです。
まる: 最初に聴いた時、めちゃくちゃ良いなと思いました。今までにない感じになったよね。
かおり: いかにもロックらしいストレートな曲展開は活かしながら、サウンドもズンズンと迫力を出したり、あと効果音として「ハァハァ」という吐息の音を足してみたり、アレンジも色々と工夫していったんだよね。サビで一気に盛り上がるところとかも好き。
インタビュアー:歌詞や、各楽器パートについてはいかがでしょう?
かおり: 歌詞に登場する主人公の女の子が、このアルバムの中で一番かっこよくて好きなんです。すごく苦しんでいるんだけど、それでも強くてかっこいい姿を貫くロックな女の子をイメージして作詞しました。
りょう: 僕はこの曲に関してはあまり手を加えず、ギターリフを中心に自然と曲が出来上がった、という気がしています。ただ、サウンドアレンジでは、ベースを激しく歪ませたり、ドラムも荒々しい雰囲気が前面に出るように工夫しました。
かおり: 2番の Aメロのギターもすごくかっこいいよね。
ジェーン: あの時だけ、9mm Parabellum Bulletになった気分だった(笑)
この曲で一番感動したのは、かおりがあまりやりたがらなさそうな高音をちゃんと使ってくれたこと。多分、これまでで一番高い音を使ってるんじゃないかな?今までそういうアプローチはしてこなかったから、挑戦していて良いなと思いました。
インタビュアー: 次の「ギターケースで眠りたい」は、かなり以前からあった曲だそうで すね。
かおり: そうなんです。私が初めて作った曲で、2022年夏にやった最初のライブで演奏した曲なんです。当時のアレンジは今とだいぶ違っていて…。コードも自分なりに付けたんですけど、「不倫をテーマにしたバラードなのに、こんな明るい曲調なの?」って言われたのを今でも覚えています(笑)。
まる: そうそう、最初はめちゃくちゃ明るいコード進行だったんだよね。今回のアルバムに入れるにあたって、冬に出すということもあり、重めの曲もあった方が良いなと思って、りょう君にリアレンジを頼みました。
りょう: コードアレンジの見直しでは、なるべくドラマチックでおしゃれなコード進行になるように、Mr.ChildrenやOfficial髭男dismを意識してみました。
ジェーン: まさしくそうですね!最近の J-POPの美味しい要素が詰まっている感じ。
りょう: 元のメロディがしっかりしていて、描きたい情景がハッキリしていたので、そこにストーリーを彩るためのコードを乗せるのはかなりサクサクできました。コードアレンジは 1週間もかかってないと思います。
まる: 早かったね。
インタビュアー: 曲の中で、特に気に入っているところはありますか?
まる: 2番サビ終わりの、ギターソロに向かうところのメロディーがすごく良いんだよね!
りょう: あそこはこだわりました。まずコードアレンジを決めて、 それに合うように歌のラインも原曲から少し変えた気がします。それでエモい感じが特に強調されたかなと。
かおり: ここはアレンジやメロディに合わせて歌詞も見直して、歌詞の主人公の切なくてもどかしい心情を色濃く表現できたと思っています(→「また出会えても 今更 気づけないよ」の箇所)
ジェーン: そのあとのギターソロは、B’zをイメージして気持ちよく弾き倒しました!

りょう: リズムやサウンドのアレンジは、序盤は大人しく、徐々に盛り上がっていく感じに変えました。変化の幅は地味なんですけど、結構繊細に詰めました。バラードのアレンジって難しいと思うんですよ。特にリズムアレンジ、サビのリズムは耳を凝らして聴いてほしいです。リズム隊としては、ちょっとやりたくないリズムなんですけど(笑)
まる: そうそう、16分裏で刻むようなリズム!りょう君くんはこういうのが好きなんですよ!アコースティックギターを鳴らしたのもこれまでの曲で初めてじゃないかなと思います。 MVもすごく良いので、ぜひYouTubeで見てほしいですね。
かおり: クリエーターのリサちゃんが作ってくれました。本当に素敵なMVになっているので、ぜひ!
インタビュアー: 最後の曲、「ロマンス」はまるさんが作られた曲ですね。
まる: はい。僕はコードの中で Eコードが一番好きなんです!ファーストでもセカンドで も、Eコードの曲を必ず入れているくらい。
かおり: みんな、好きなコードってありますよね。私はDになっちゃうことが多い。
りょう: 僕はAadd9が好きです。響きがエモいのに、押さえやすいから(笑)。
ジェーン: シャープ系の方が好き。
まる: 「ロマンス」は、僕の好きな要素を色々詰め込んだ曲です。いくつか参考にした曲があって、季節の情景を感じながら、それを混ぜ込んだような感じかな。本当に好きなものを作らせてもらったという感じです。
インタビュアー: 他のメンバーは、まるさんのこの曲を聞いてどのように感じましたか?
かおり: 私はこの曲を聴いた時、冬の夕暮れのような、危うい雰囲気を感じて。悲しくて 落ち込んでいる女の子(大人だけど)を、月とかそういう大きなものが心配して見ているようなイメージで歌詞を書きました。心配しながら「大丈夫?」「忘れ物してない?」「何かあったのかな?」って見守っているような。ハッピーじゃないんだけど、絶望でもなくて、その瞬間を切り取るとキラキラしている、みたいなイメージがありました。
ジェーン: 最後の、山びこみたいなコーラスが良いよね。あれは僕が無理やりやれって言った記憶がある(笑)。曲の一番最後に新しいメロディを持ってくるみたいな展開にしたかったんだよね。
かおり: そうそう!2ndアルバムの「レイニージャガー」の時も、最後の終わり方にこだわってたもんね。
りょう: この曲は、楽器とか音の構成要素が一番多いはずです。シンセやベルの音が入っていて、ギターのトラック数も多いし、ベースもドライな音とエフェクトをかけた音を使い分けています。世界観ありきで作っている曲なので、 アレンジしている中で「この音を足そう」というアイデアがたくさん出てきました。色々な要素を入れたんですけど、最初の音像というか、曲を通して出したい世界観がしっかりしていたから、発散せずにうまくまとまったんだと思います。曲の最後にフェードアウトで終わるかどうか、最後まで悩みましたけど、結果しっくりきましたよね。
まる: なるべくしてそうなったと思うよ。音像が色々あってキラキラしているんだ けど、そこにちゃんと収まった感じがすごく良い。
かおり: アルバムの最後にふさわしい感じだよね。
まる: アルバムを並べて聴いた時に、壮大な感じがすごく良い。新生・踊るスリッパが始まった、という感じで全体を包んでくれているような気がする。みんなで同じものを目指して構築できた曲だったと思います。
インタビュアー: 最後に、今後の展望についてお聞かせください。
かおり: 今回のアルバム制作は結構大変だったので、また1からやろうとすると気が重い のは正直あります(笑)。でも、出し切った感はあるよね。
まる: めちゃくちゃ頑張ったもんね。まぁでも、ライブはやりたいよね。年に1、2回はやりたいなと思っています。あと、今回のアルバムに入っている曲は、できればミュージックビデオを全曲作りたいなと 思っています。
かおり: あと2曲、MVを作りたいですね。「BIANCA」はもう構想があるんですけど、ち ょっと難しそうで、考えてます。
まる: 次のアルバムのイメージは、コンセプトだけは今あって。短い曲というか…なんか ね、作るごとに反動が起きるんですよ。1stがシンプルで粗削りだったから、2ndは王道なポップロックを目指したいとか、3rdは音楽性を深められたから、次は実験的な事がしたいなとか。 過去を否定するわけじゃないし、ずっと同じことが出来る人を素敵だなと思いながらも、前回からの反動を活かして次へ行きたいという気持ちもあって。なので次は実験的で短い曲を、メンバー全員が2曲ずつ作るようなイメージでやってみたいなと思っています。
かおり: せっかく良いメンバーが集まっているので、それぞれの個性をぎゅっと詰め込んだ作品にしていきたいですね。
インタビュアー: 皆さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!ニューアルバム 『ファーストクラッシュ』、本当に素晴らしい作品でした!iTunes Storeでオルタナティブ 7位、総合91位にチャートインした作品ですので、ぜひ聴いてみてはいかがでしょうか。
アーティスト紹介
2020年5月、かおり(Vo/Gt)と まる(Dr)の夫婦で結成したメランコリックポップバンド。
強くてかわいい女の子たちの恋の一瞬を、ポップで軽快、無防備なナンバーに乗せて歌う。
ジェーン(Gt)、りょう(Ba)が加わり現体制になる。それぞれ異なるバックボーンを持つ楽器隊と、Vo. かおりのポップな歌声で、ちょっと心が弾みますように。
HP・SNS情報
[踊るスリッパ]公式HP
https://peraichi.com/landing_pages/view/odoru38
[踊るスリッパ]公式 YouTubeチャンネル
https://youtube.com/@odoru_slipper
[踊るスリッパ]公式Twitterアカウント
@dance_slippers
[踊るスリッパ]tune core 各種音楽配信サービス
https://www.tunecore.co.jp/artists/Dancing-Slippers
最近のコメント